
こんな絵本
多様な個性を受け入れ、自分らしく生きることの大切さを伝えてくれる一冊
自分がまわりと少し違うと感じたとき、不安や戸惑いを覚えるのは、誰にとっても自然なことです。特に性的マイノリティに関することは、なかなか周囲に打ち明けにくく、一人で悩んでしまうこともあります。
この絵本は、そんな不安に寄り添いながら、「ちがい」は「素晴らしさ」であることをやさしく伝えてくれます。自己肯定感を育み、ひとりひとりの個性を大切にすることの大切さを教えてくれる一冊です。
絵本のストーリー
プライドでコミュニティを見つけたクィアの黒人家族の楽しい体験を描いたこのストーリーには、プライドの歴史に関する巻末記事、LGBTQ+用語集、そしてリソースリストが掲載されています。

マーリーは常に不安を抱えており、人混みや大きな音が苦手で家にひきこもりがちなノンバイナリーの子どもです。

ザザがプライドパレードの賞にノミネートされたので、大好きな祖父母と一緒に初めてパレードに行きたがります。しかし不安は消えません。

プライドパレードで出会った同年代の子どもと打ち解けたこと、演説をして大勢から賞賛されているザザを見てマーリーの心のわだかまりが少しずつ溶けていきます。
絵本のレビュー
この絵本は、性的マイノリティとして悩みを抱える子どもが、周囲の理解と支えの中で少しずつ自分らしさを受け入れていく姿を、美しく丁寧に描いています。感動的なストーリーに心を動かされると同時に、読後にはあたたかい余韻が残ります。
物語は、自己認識、友情、そして勇気といったテーマを通じて、「違い」を肯定的に捉えられる心を育ててくれます。特に子どもたちに向けて書かれており、自分自身を大切にする気持ちや、他者への思いやりの大切さを自然と学べる内容です。
イラストも大きな魅力のひとつ。鮮やかな色使いと繊細な描写が、物語の世界観を豊かに広げ、子どもたちの想像力を引き立てます。
教育的な価値を持ちながらも、あくまで楽しく、感動しながら読める絵本。
子どもたちが「じぶんらしさ」を見つけ、「ちがい」を認め合える心を育むきっかけとして、ぜひ多くのご家庭や教育現場で手に取っていただきたい一冊です。
LGBTQIA2S+ とは・・・
Lesbian(レズビアン)
Gay(ゲイ)
Bisexual(バイセクシャル:男女の両性に性的嗜好が向いている)
Transgender(トランスジェンダー:身体的性と性自認との間に違和感を感じている)
Questioning(クエスチョニング:性自認がわからない・決めていない)
Queer(クィア:性的マイノリティや、既存の性のカテゴリに当てはまらない)
Intersex(インターセックス:身体的性が一般的に定められた男性・女性の中間もしくはどちらとも一致しない)
Asexual(アセクシャル:他人に性的欲求を抱かない)
Two-spirit(トゥー・スピリット男性性と女性性を両方兼ねる北米先住民族で認められているジェンダー男性性と女性性を両方兼ねる北米先住民族で認められているジェンダー)

『Marley’s Pride』の購入リンク

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