本のあらすじ
若い夫婦が日本を離れてカナダの西海岸に渡加した際、桜の木の種が着物にくっついてきました。その種を家の裏庭に植えたナオミとステファンの両親。
ナオミとステファンは桜の木と共に成長します。
しかしある日、日米間に戦争が勃発し、母は病気の祖母を看病するために日本に帰国したまま帰ってこれなくなってしまいました。
太平洋戦争が始まると日本人達は所有していた土地を奪われ、強制収容所に送られてしまう。ナオミは家に帰ることを夢見ることが多いが、その夢は年月とともに消えていく。
何年もの間、桜の木はナオミが無事で、いつか戻ってくることを待ち続けていました。そしてついにナオミと桜の木は再会を果たすのです。
レビュー
太平洋戦争の歴史に基づいた『ナオミの桜の木』は、不朽の愛と日本人の精神を癒す神秘的な桜の木の絵本にしたノンフィクション物語です。
現在私が住んでいるカナダ西海岸のブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー市を中心に住んでいた日系人約2万2千人が、1941年12月に太平洋戦争が始まる と同時にカナダ連邦政府に全ての土地と財産を没収されて収容所に強制移動させられたという歴史があります。
日本人はこの戦争の際に没収された財産の返還を訴えていないと聞いた覚えがあります。こんなところにも日本人の美学的なところを感じます。全ての財産を奪われてしまった日経カナダ人達も、日本から遠いカナダの収容所で過酷な生活を強いられていたのだと思うと切ないですね。
バンクーバーから遠く離れたホープ市の南西22キロの所に作られたタシミ収容所収容所に1942年から1946年まで多い時で2644名の日系カナダ人が収容されていました。
日系カナダ人の強制収容についての記録はウェブサイト www.tashme.caで見ることができます。
Naomi’s Tree
実物の桜の木のようです。写真はニュースで取り上げられた時のもののようですが、もっと花が満開に咲いてる時がよかったな(笑)
ワンフレーズ ピックアップ
How long I have been waiting for you. How good it is to be with you again.
(どれだけあなたを待ち侘びていたか。また逢えるなんて素晴らしいのでしょう。)Naomi’s Tree