本のあらすじ
離婚を題材にしたベストセラー絵本。
I am Nina. I have two homes.
Dad lives in one house.
Mom lives in another house.
And I live in both houses,
Sometimes with Mom and sometimes with Dad.
(私はニーナ。私にはふたつの家がある。
パパは一軒家に住んでいて、ママは別の家に住んでいます。
そして私は両方の家に住んでいるの。時にはママと時にはパパと。)
少女ニーナが、両親の離婚によって幼い子供が経験した不安と寂しさを伝えています。
仲がよく幸せだった家族が、両親の不仲により離婚となり別居することになり、まだ状況がよくわからない小さなニーナは彼女なりに現実を受け止めていきながらも、寂しさをひとりで抱え込みます。
親が離婚して別々に暮らしているけれど、両親ともニーナと一緒にいる時が本当に幸せであること。
両親のニーナへの愛情は今も全く変わらないということを理解し、ふたつの家を行き来することをポジティブに受け止めていく物語。
レビュー
我が家には現在7歳になる旦那の連れ子がいます。
日本では両親が離婚する際には、「親権者をどちらかに決める」ことが普通であり、離婚後に両親の家を行き来する子ども達はとても少ないと思います。しかし海外では離婚しても親権はフィフティーフィフティーで半々です。(どちらかの両親に問題がある場合は裁判で決定されますが)
子どもが親を選ぶという権利が守られているのです。
なので、連れ子は毎週末の3日間だけ我が家に来ます。
私が彼に初めて会った時、彼はまだ3歳になったばかりで、毎回ダディーとの別れ際には大泣きして悲しんでおりました。5歳頃まで、どうして両親は一緒に住めないのかを何度も質問していたのを覚えています。
そんな彼も今ではニーナと同じように『僕には二つ家がある』と納得しているように見えます。
物語の途中で、両親が離婚によって塞ぎ込み、ニーナが壁に口紅で落書きするなどして両親の注目を必死に集めようとする姿に涙がこぼれそうになりました。パパの家にいけばハムスターが恋しい、ママの家に行けば猫に会いたいなど、両親には言えない子どもの心の寂しさも表現されて切ないです。
両親の離婚によって傷つかない子どもはいないと思います。
しかし、両親の子どもへの愛情には変わりがないこと、離婚によって新しい幸せを見つけていくことなど、前向きに現実を受け止めていくニーナの姿は感動的です。
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