本のあらすじ
これは小さな女の子エミリーとその飼い猫ミスターパスキンズの物語です。
エミリーは飼い猫のMr.パスキンズを溺愛しており、ネズミのおもちゃで遊んだりブラッシングをしたり、絵本を読んであげたり、毛をブラッシングしてあげたり・・・
しかしMr.パスキンズは、彼女の愛情を鬱陶しいと感じ、この生活がつまらないと感じており、ある日家出を試みます。
路上での生活は彼が今までに経験したことのない楽しさがありました。しかし直ぐに、汚く、冷たく、孤独な路上生活は全く幸せではないことに気づくのです。
そんな時、エミリーが出した「迷い猫のポスター」を見つけたMr.パスキンズは、どれだけ自分が感じの悪い猫でもエミリーが優しく愛してくれ全てを与えてくれたのに、自分がナイスじゃなかったかを反省するのでした。
Mr.パスキンズは公衆電話からエミリーに電話をかけ、受話器に小さな声でニャーと鳴くと、エミリーは大喜びをし直ぐに迎えに行くと言います。
待っても待っても来ないエミリーに不安になるMr.パスキンズ、その前を走り去るエミリーの車にエミリーはもう愛してくれないのだと悲しくなるのですが・・・
その時!!
停まった車から降りてきたエミリーは、汚れすぎて気づかなかったMr.パスキンズを抱きしめました。
心を入れ替えたMr.パスキンズとエミリーはお互いに一緒にいることに幸せを感じるのでした。
レビュー
全てを与えられて自分がどれだけ幸せかを知らなかった恵まれた飼い猫のMr.パスキンズが、家を飛び出してみて初めて気づく世の中の厳しさと自分の非力さ。
「自分の立場がどれだけ恵まれていたか」
「愛してくれた相手に対して、どれだけ失礼な態度だったか」
ふっと、私が親の反対を押し切り、ひとりでカナダに移住したことと重なりました。Mr.パスキンズと同じように、親に愛され恵まれた環境で何不自由なく生活してこれた事を、失って初めて気づくのでした。
Cattitude(Attitudeークセのある性格ーの猫版)を持ったMr.パスキンズですが、実はとても素直で感謝の心を持った可愛らしい猫で、さまざまな形の愛に感謝することを思い出させてくれる、魅力的で心温まる物語です。
ワンフレーズ ピックアップ
Now both Emily and Mr. Pusskins realize how lucky they are to have each other.
(エミリーとMr.パスキンズはお互いに一緒にいれることがどれだけ幸せなのかと実感しています。)