本のあらすじ
I win! I’m the best!
(ボクの勝ち!ボクが一番)
フワフワヘアーの犬は言います。ボクはモグラよりも速く走り、ガチョウよりも上手く穴を掘り、ロバよりも速く泳ぐことができ、てんとう虫よりもはるかに大きいです。だからボクの勝ち!
こんな犬の自慢話は友達たちを「自分たちも犬のように勝る力(スキル)が欲しい」と悲しませます。しかし、彼らは犬よりも上手くできる事があることに気づきます。
彼らが犬と同じように能力比べをすると立場は逆転。犬は自分が彼らに勝てないこと、自分が自慢ばかりしていたこと、友達に対して優しくなれなかったことに気づき涙を流します。
本のメッセージ
人と比べて自分が優れている部分があったとしても、それをひけらかすことは相手を悲しい気持ちにさせることを教えてくれている。
自分が感じた悲しい思いを友達にもさせてしまったと気づいたのであれば、心から謝ってお互いに許し合うことが「ともだち」には大切だということ。また、それぞれの価値観、個性、特性があり勝ち負けを競うものではないと教えてくれています。
わたしのレビュー
『ネズミのMaisy(メイジー)』の著者でもあるルーシー・カズンズは自分がテニスのトーナメントで勝った時、友達にひけらかしていた体験からこのストーリーを思いついたらしいです。彼女の作品は友情を通して、思いやりや受容、許しなどを気づかせるストーリーが多いようですね。
他人の気持ちが想像できるようになる「共感力」は4歳ごろからだと言われています。対象年齢が2歳からとありましたが、2歳児には他人と比べて自己嫌悪になる気持ちは到底理解できないような気がします。それより、自分はこんなことが出来るんだよ。ぼくはすごいんだ。と力強いメッセージを受け取り自尊心を高めることが出来ます。