本のあらすじ
タイガーは森で最も恐れられている動物!のはずなのに・・・森の動物たちは何故か小さなバニーを恐れている様子。自信満々のタイガーはこれを聞いて馬鹿げていると笑います。「僕は何からも逃げないし、この爪と歯を見てごらんよ」と言いますが、動物たちは聞く耳を持ちません。
そこにバニーの大群が現れ・・
自信満々のトラはウサギの大群に襲われ結局逃げてしまいます。
自分が一番強く何も怖いものはないと自負していたタイガーは、心を改めて森の仲間たちと一緒に「タイガーからバニーに書き換えられた詩」を読むのでした。
メッセージ
このお話のベースになっているのはトラの勇姿を歌った、William Blake(ウィリアム・ブレイク)の詩『The Tyger』です。Blakeはキリスト教の神話的構造をもつ叙事詩(預言書)を数多く残したイギリスのロマン派詩人です。詩は『Tygher, tyger, burning bright, in the forests of the night – 』と始まり虎の恐ろしい躯体を鍛え上げる手や目に神のイメージを重ねているとも言われています。
※タイガー(tiger) の綴りが違うのは、その当時の一般的な綴りだったそうです。
自ら自負をするほどタイガーは力のある動物です。誰もがそう思っていると自負していたタイガーは小さな非力のバニーに襲われると尻尾を巻いて逃げるタイガーは自信もプライドも傷ついたことでしょう。深く追求すると自分の力や能力を過信(自己顕示欲)すべきではないと教えているようにも思えますが、それと同時に友達の話を素直に聞き入れることの大切さも伝えています。
レビュー
私はブレイクの『The Tyger』という詩を知らずに読んだので、最初は話がイマイチ掴めませんでした。最後のページでTygerからbunniesに書き換えられた詩を見て検索し、この有名な詩にたどり着きました。私も勉強になりました。
2歳の息子には本のメッセージまで理解できたとは思えませんが、可愛らしいイラストとテンポの良い文章で読みやすかったので、数回のリクエストがありました。
「自分の力を過信せず、謙虚に周りの話を聞くことも大切なのよ」と理解できる5歳以降に再度読んであげたいなと思いました。
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